知っておきたいフットケアのポイント!
高齢者のフットケアですが、適切に行うためにはいくつかのポイントを押さえておかなければなりません。ひとつずつ紹介していきますので覚えておきましょう。
まずは「フットケアを行うタイミング」です。フットケアは足を洗ってから行いますが、日中は家事をしたり、外出したりしているため難しいと思います。フットケアはお風呂の後に行うといいでしょう。お風呂上がりの方が古い角質が取れ、爪も柔らかくなっています。ただし、お風呂上りは足が濡れているので水分が残らないようにしっかりと拭いておかなければなりません。
もし介助がなければお風呂に入れない、という状態なら足浴でも構いません。40℃位のお湯を張った大きめの洗面器にあら塩を大さじ1杯入れ、両足をつけます。5分ほどで血行が良くなりますので、身体が温まってきたらフットケアを行いましょう。
次は「爪の状態」です。足を拭いている時に爪の状態をよく見ておきましょう。爪が伸びていたら切っていきますが、高齢者の爪はもろくなっているため一度に切ってしまうと爪自体がすべて剥がれてしまう可能性があります。爪を切る時は2段階に分けて切るようにしましょう。まずは伸びている部分を水平に切り、それから残っている部分の両角を切ります。ある程度切れたら端から真ん中に向かってやすりをかけます。
この時に注意したいのは爪が靴に当たらないように、と深爪にしてしまうことです。深爪は逆に歩きにくくなってしまいます。足の指先を平らなものに当てていても爪が当たらない長さに切りましょう。また、高齢者の爪は厚みがあるため爪切りでは切りにくいかもしれません。その場合はニッパーなどで切るといいでしょう。
爪を切り終わったら乾燥を防ぐために足全体に保湿剤を刷り込んでいきます。高齢者は血流が滞りがちで血行不良を起こしていることが多いので、マッサージをしながら刷り込んでいきましょう。
まずは膝から爪先に向かって優しくマッサージしていきます。その後、ふくらはぎを両手でゆっくりと上に持ち上げたり下ろしたりします。下肢の血行が良くなり、足が温かくなったら、左手にかかとを乗せ、ゆっくりと左右に回します。足の裏や甲に螺旋を描くように指などでマッサージしていきましょう。それから、指の側面を指先に向かって1本ずつマッサージしていきます。爪の周りは推すようにマッサージするといいでしょう。
血行促進に効果的なマッサージですが、痛みを感じるようならすぐにやめてください。マッサージは力を入れて行えば良いというわけではありません。余計な力を与えないように指先を柔らかくして行うようにしましょう。
高齢者は足トラブルを抱えやすいのですが、それは小さな変化を見逃しがちだからです。年を重ねると神経細胞が減少し、神経伝達速度が低下してしまうためさまざまな感覚が鈍くなってしまいます。小さな痛みにも気づきにくくなるため、放置して状態が悪化してしまうのです。
フットケアには医療行為と見なされてしまう対応もあり、その場合は介護士では対処できません。しかし、医師の許可があれば介護士でも対応可能です。特に注意したいのは爪のケアです。事故につながらないように、安全な姿勢で爪を切るようにしましょう。
フットケア指導士の資格を持っていれば個々の抱えている足トラブルを解消するために症状に応じた指導を行うことができます。フットケアの需要が高まっている介護業界にとって、欠かせない資格のひとつとなっていくことでしょう。
足は第二の心臓とも呼ばれていますが、それは血液の50%が下半身に集まっており血流が滞ると身体全体に悪い影響を与えてしまうからです。全身に新鮮な血液が流れるように、ふくらはぎや足裏がポンプの役割を果たしているため、足の状態を良好に保ち血液の循環を良くすることが大切です。
フットケアは正しい手順で行わなければ効果は期待できません。ここではフットケアの正しい手順についてまとめています。フットケアを行うタイミングやマッサージの仕方など押さえておきたいポイントも紹介していますので、しっかり目を通しておいてください。
介護メディカルアロマ講座はIBCA協会が開催している講座のひとつです。介護に活かせるハンド・フットケアの基本知識と技術が学べます。まずはIBCA協会に登録しなければならず、入会金や年会費が必要ですが、フットケアに役立つ知識と技術が学べるとあって多くの人が受講しています。